アイルランド映画における若者たち。
「ブルックリン」(2015年)
この映画も、先ずは映像が印象的。40年代〜50年代の”アメリカ製ポスター”から飛び出して来たかのような、パステル調でクラシカルな色彩。衣装も含め、緑と赤を強調した色合いが「アメリ」とかを彷彿とさせる。
内容の方は、、ピュアピュアなラブストーリーとして魅せる展開から始まる。祖国アイルランドでは、なかなか”チャンス”を見出せない主人公エイリッシュ。そんな彼女の”アメリカ行き”をセッティングしてくれた姉との愛。そしてニューヨークで出逢ったイタリア系青年との恋愛。。
特に前半の流れの中では、女子寮での”人間関係”の描写が素晴らしい。エイリッシュが次第に、アメリカ生活に溶け込み、ステップアップしていく様子を推し量る”尺度”となっている。
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ところが後半、物語はそう単純には進行しない。。ワケあって主人公がアイルランドに一時帰国するあたりから雲行きがあやしく。
さぁここで、満を持して登場のドーナル・グリーソン。彼の持ち味たる”ハニカミ笑顔”が、ここまで大事にしていた”魔法”を粉々に打ち砕く破壊力をみせるとは(笑)。
元々、物語の”背徳”的な展開は大好物のクセに、もう前半で”ピュアピュアな魔法”にかかってしまってる自分は「あ、あかんて!そっちいったら!」と心の中で主人公にツッコミ入れてしまう始末(笑)。
たぶん、女子なら号泣必至の終盤。(自分含め)多くの男性にとっては、ここでの主人公の心情を理解するのは難しいだろう。(まぁさすがに、エリック・ロメールが生きてたら、彼は理解したでしょうが 笑)
そういう意味で、カップルが映画デートにチョイスするには微妙な一本(いや、マジで)。お一人様か、同性のお友達と一緒に鑑賞するのが無難かと。
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「シング・ストリート 未来へのうた」(2016年)
あまずっぱぁ〜!
もう年代的にドンピシャすぎて、もはや客観的にはこの映画を論じることなどできない(笑)。
いきなり”リオ♫”だしね。ハマりましたよ。そんで、部屋で”マン・イーター”流して踊るとか。もう”ありえ過ぎて”ヤバい(笑)。
兄貴のキャラも素晴らしい。しかしモデルがいなければ、なかなかああいうリアルなキャラは作れないのでは。監督のジョン・カーニーには、お兄さんがいるのだろうか?
あと、キャラ的に立ってたのは、マネージャー役の子。とにかく顔がイイ。イケメンではないが味がある。矯正ワイヤーで締め上げた歯ゆえにか(?)、ちゃんと閉じれない口がチャームポイント(笑)。関西に住んだことがない人には解ってもらえないかもだが、「ケンミンの焼きビーフン」のCMに出たら必ずやハマるであろう佇まいなのだ(笑)。
主人公のボクもなかなかのイケメン。”息子にしてよし”、”弟にしてよし”、”彼氏にしてよし”、の”三方よし”で(笑)、ほぼ全世代の女子の支持を得るだろう。
また、「小さな恋のメロディ・青春編(笑)」とも言うべき、物語の締め方も好印象な一本。
最後に、、
ドンピシャ世代(昭和40年代生まれくらい)の皆さま限定で、この映画の正しい(?)観方をご提案します。
1回目: 映画館で恥ずかしそうにニヤニヤして観る。
2回目: DVDが出たら、ひとり号泣しながら観る。
3回目: 同世代の気のおけない友達と酒飲みながら、ワイワイ観る。
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