できれば映画に浸っていたい。。

鑑賞した映画のレビューや解説を勝手気ままに書いていきます。

ヒューマンドラマ

微笑ましくも何だか切ない。。過ぎ去りし日の青春物語。〜映画「グッバイ、サマー」〜

「グッバイ、サマー」(2015年) 【映画情報】「グッバイ、サマー」〜広尾のごきげん空模様#79〜 【あらすじ】 14歳の少年ふたりが繰り広げるひと夏の冒険(?)物語。 女の子のような容姿(言いかえれば美少年といえるのでは?服装はいたって男の子)で、ク…

人は妖精たち(自然)と宴を共にできるか? 〜映画「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」〜

「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」(2014年) アイルランド伝説に登場する想像上の生物”セルキー”を母親に、普通の人間を父親にもつ兄妹の物語。セルキーは海の中ではアザラシ、陸上では人間の姿をしている妖精の一種らしい。そして、この物語は多くの妖…

映画にみる、ヨーロッパの”死生観”。「神様メール」&「素敵なサプライズ 〜ブリュッセルの奇妙な代理店〜」

「神様メール」(2015年) 制作国:ベルギー・フランス・ルクセンブルク合作 世の中の嫌なことって、全て一人(?)の意地の悪いゲスな神様のせいなんだよ、だからそいつを排除して、みんな幸せになっちゃおうぜぃ♫っていう、どこかシュールなファンタジー・…

笑えて泣けて、あったかい。。映画「アスファルト」について。

「アスファルト」(2015年) 映画『アスファルト』予告編 ”笑い”というのは実に奥深い。意外に、それは”恐怖”や”哀しみ”といった一見異なる感情の機微と表裏一体だから。 本作は、特に独特の”ユーモア(あるいはエスプリ?)”と”哀切感”との取り合わせが極め…

愛すべきジム・ジャームッシュ初期の傑作たち。

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年) ニューヨーク〜クリーヴランド〜フロリダを舞台にした半ロード・ムービー。博打やイカサマで生計を立てる気ままな青年の二人組、ウィリーとエディ。ある日、母国ハンガリーから渡米してきたウィリーの従妹エヴァ…

ゴジラ今昔物語。

ゴジラ(1954年) これは”怪獣映画”の体をなした、極めてリアルな社会派ドラマだ。核開発など”力の論理による秩序形成”に対し、強い警鐘を鳴らす。 「暴力による問題解決」に向けられた老教授の”憤り”。 ゴジラの容赦なき破壊行為に対する民衆の”怒り”。 純…

ニキータ(1990年)

物語の世界において、なんとも不条理な運命に翻弄され、もがく主人公の有り様は実に切なく哀しく、そして美しいものだ。 この映画の主人公、ニキータと名乗るその少女は、冒頭で情状酌量の余地が無いほどの重大な罪を犯して警察に捕らえられる。それも、はず…

映画「ニュースの真相」で魅せる”レオニダス王”的 心意気。

「ニュースの真相」(2016年) 興奮した!凄い面白い!!もしかしたら、(現時点での)本年マイベストワンかも。 2004年、CBSの番組がブチまけたジョージ・W・ブッシュ米大統領の軍歴詐称(?)疑惑報道。本作は、その”スクープ自体の真偽”が疑惑となってし…

映画とナチス・ドイツ。。

「栄光のランナー 1936ベルリン」(2016年) ナチス政権下のベルリンで開催された1936年のオリンピック。これは、その大会で前人未踏の四冠を果たしたアメリカ代表ランナー、ジェシー・オーエンスの半生を描いた伝記映画だ。 映画『栄光のランナー/1936…

映画「LOVE【3D】」に観る、”愛しさ”と”切なさ”

「LOVE【3D】」(2015年) 映画「LOVE」ショートレビュー 【あらすじ】 主人公”マーフィー”は、妻の”オミ”と未だ幼い息子との三人暮らし。 オミが息子の面倒に明け暮れる日々のためか、夫婦間に流れる倦怠感がマーフィーの心に暗い影を落としている。 元旦…

アイルランド映画における若者たち。

「ブルックリン」(2015年) この映画も、先ずは映像が印象的。40年代〜50年代の”アメリカ製ポスター”から飛び出して来たかのような、パステル調でクラシカルな色彩。衣装も含め、緑と赤を強調した色合いが「アメリ」とかを彷彿とさせる。 内容の方は、、ピ…

生き様にこだわるオトコたち、その明暗。。「スティーヴ・マックィーン その男とル・マン」&「海よりもまだ深く」

「スティーヴ・マックィーン その男とル・マン」(2015年) 往年の大アクション・スター、スティーブ・マックィーン入魂の一作「栄光のル・マン」制作にまつわるエピソードをとおして、彼の半生を追ったドキュメント。この作品は、カーレースに魅了された”彼…

知らない、ふたり(2016年)

この映画の登場人物って、みんな少しずつ変わり者(笑。 その人間的ズレみたいなのが独特のユーモアやリアリティを醸してるような。 特に青柳文子演じる小風の”気持ち悪くない変人ぶり”が印象的。 片想いの連鎖のような、ちょっと風変わりな恋愛感情の機微を…