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できれば映画に浸っていたい。。

鑑賞した映画のレビューや解説を勝手気ままに書いていきます。

生き様にこだわるオトコたち、その明暗。。「スティーヴ・マックィーン その男とル・マン」&「海よりもまだ深く」

映画 ヒューマンドラマ ドキュメンタリー

スティーヴ・マックィーン その男とル・マン」(2015年)

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往年の大アクション・スター、スティーブ・マックィーン入魂の一作「栄光のル・マン」制作にまつわるエピソードをとおして、彼の半生を追ったドキュメント。
この作品は、カーレースに魅了された”彼自身の思い入れ”が強いあまり、それまでの成功物語に水を差すような大きな挫折をもたらした。

 

マックィーンは、とにかくカー・レースそのものを、レーサー目線でリアルに表現する映画を作りたかったらしい。
今なら、ドラマ部分を排してレースのリアリズムをひたすら追求する映画の制作も(当時ほどの難はなく)実現しただろう。マックィーン並のビッグネームがあるならば。
ただ当時はそうはいかなかった。おそらく、(恋愛とか、ヒューマンドラマありき、みたいな)強固なハリウッド・スタイルが、彼の行く手を阻んだのでは。

 


『スティーヴ・マックィーン その男とル・マン』予告編

 

また、破天荒で一本気な性格も災いしたのかも知れない。そういえば、ブルース・リーにも相通じるような。。(ちなみにマックィーンはリーの弟子だったらしい 笑)

ともあれ、映画は完成し公開された。どれほど自分で満足できるものだったかは判らないが。。終盤には、マックィーンの人情味溢れるエピソードも紹介され、涙を誘う。
彼がいかにカーレースを愛し、レーサーをリスペクトしていたかを感じることができる一本。 

 

 

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「海よりもまだ深く」(2016年)

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一本の映画の中に出てくる、”笑い”の頻度だけで言えば、この映画は間違いなく”コメディ”のレベル。それくらい笑った。でも、どう考えても”コメディ”ではない。
なぜだろうか?

 

きっと、それらの”笑い”がリアルな日常の”可笑しさ”をそのまま切り出して見せてくれているからだろう。まるで、とてつもなく手のかかる面倒くさい作業を経て、我々の生活を編集し直したんじゃないかってくらいの印象。
さらには、制作者の描かんとするテーマが、極めてビターでリアルな人生についてだから、なのかも知れない。

 


海よりもまだ深く 本予告

 

終盤、樹木希林演じる老年の未亡人と、阿部寛演じるうだつのあがらない中年、それぞれが自分の子に発する決め台詞がある。
実は、この二つのセリフのベースにある価値観は”真逆”。それらを両立させて生きていくのは到底不可能なのだ。

 

この映画が素敵なのは、単視眼的な価値観に依っていない点。但し少なくとも、どちらを拾い、どちらを捨てたのか、自覚することの大切さを説いてるのではないだろうか。
自分の人生を悔いたり、他人のせいにしたりしなくてすむように。

悲しい涙とうれしい涙は、それぞれ味が違うらしい。本作を鑑賞して溢れる涙は、一体どんな味がするのだろうか。

 

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※↓出演しているネット番組でも本作を紹介させていただきました!


【映画情報】「スティーヴ・マックイーン その男とル・マン」「海よりもまだ深く」〜広尾のごきげん空模様 #61〜